kazuさんのダイアリー(仮)

07年3月から始め、19年1月にダイアリーからブログに引っ越し。

放射性物質を含む汚染水の放出をめぐる国際法

福島第一原子力発電所における汚染水の放出措置をめぐる国際法/西本健太郎 東大特任講師/東京大学政策ビジョン研究センター/PolicyIssues

『今回の放射性物質を含む汚染水の放出という事態に直接に対応するような具体的な国際法上の規則は存在していない』

『現行国際法の下では、汚染水を船舶や航空機に積載して海上で投棄するとロンドン条約の適用対象となり、上記のような詳細な規制の対象となるのに対して、陸上から排出することについては、明確な形で禁止する条約規定は存在していない。汚染水の放出が他国に対する環境損害を発生させるレベルではない場合には、国連海洋法上の海洋環境を保護・保全する義務という一般的な義務との整合性が問題となるにとどまる。』

https://www.foejapan.org/energy/fukushima/pdf/200330_suzuki.pdf

『「締約国は、権限のある専門機関その他の国際団体において、次の物によって生じる汚染から海洋環境を保護するための措置を促進することを誓約する。・・・(d)すべての原因から生じる放射性汚染物質(船舶から生ずるものを含む。)・・・」[ロンドン条約第12条]』<<

『2011年東電福島原発事故発生直後日本がした約束継続的な海洋モニタリングの維持と強化、放射性物質の拡散の影響の調査と決定、調査結果の公表に全力を尽くす海洋への流出を最小限に抑える方法を研究する(LC / SG 34/15の付録8)』

『1993年のロシア海軍日本海核投棄への日本の対応「日本政府代表は、この処理施設によって極東の海洋への低レベルの放射性廃棄物廃棄に終止符が打たれることを希望する」[第20回ロンドン条約締約国会議議事録LC20/141998年]「日本は、ロシア連邦との技術協力協定のもとで建設されている処理施設が1999年12月に完成することを締約国会議に報告した。日本は、放射性廃棄物の廃棄に関して、条約の附属書IとIIの改正を受け入れるようロシアに要請した」[第21回ロンドン条約締約国会議議事録LC 21/131999年]』<<

国際法・海洋法がご専門の東京大学公共政策大学院 海洋政策教育・研究ユニット 特任講師 西本健太郎氏の主張は随分ソースが少ないし、経緯も踏まえていないにも関わらず、一方的に結論を導いている。
国際環境NGOグリーンピース・ジャパンエネルギー担当 鈴木かずえ氏の主張はソースが豊富で経緯も踏まえている点で説得力がある。